日々の気づきノートです。

姉妹ブログ「勇気の出る名言集」を始めました。
過去に読んだ本で気に入ったテクストのアンソロジーです。

「勇気の名言集 第2巻」が出版されました。

勇気の名言集 第2巻
今宿 葦
2022-02-14

自民党

西谷文和「統一教会の闇 アベ政治の闇」

昨日ついに自民党の派閥パー券裏金問題で特捜の強制捜査が入った。



実際、第二次安倍政権になってから自民党はやりたい放題。国民やメディアが丸め込まれていた間に悪辣なことをやっていたもんだ。
しかし、それにしても国民からの信託を得て政治に当たっていた政治家がこれだけ外に出せないようなことをやって平気だったという、その心性には驚く。悪いことをやって何かいいことがあるのだろうか。それが最大の疑問である。

フリージャーナリストの西谷文和さんが自民党政治を批判した対談本を以前読んだが、今の事件が出る前から自民党は完全に狂っていたことがよく分かる。西谷さんの批判の最高潮のフレーズから、

統一教会の闇 アベ政治の闇 まだ止められる大阪カジノ
西谷文和
日本機関紙出版センター
2022-11-23


何度同じ過ちを繰り返したら、この国はまともになるのだろう? この国の権力者は決して引き返さない。「やれば負ける」と分かっていながら突っ込んだ戦争。地震や津波が来たら壊れる、と何度も指摘されながら止めなかった原発。東京五輪で大赤字を出しても、計画される二度目の札幌五輪。PCR検査をない、と決めたらガンとしてやらず、反対世論が日増しに高まっても、国葬だけは強行する。
 安倍政権が長く続いてしまったので、この国は「縁故資本主義」になった。14回もゴルフをした加計孝太郎の学園だけが獣医学部を認められる。「総理」というヨイショ本を書いた「アベ友」の山口敬之だけは、準レイプ後に逮捕状が取り消され、捕まらない。逆に公文書改ざんを泣いて抗議した気骨ある公務員は自殺に追い込まれてしまう。そして電通の高橋治之に裏から金を渡した企業だけが「オフィシャルサポーター」になれる。
「アベ縁故資本主義」は「お祭り資本主義」でもある。五輪をやれば経済効果バツグン、万博では大阪を活性化、カジノを作れば中国の富裕層がやってきてお金をじゃんじゃん使ってくれる…。みんなウソ、イリュージョンである。
 8年以上続いた「アベスガ縁故資本主義」がようやく終わって、岸田文雄の「新しい資本主義」が始まった。しかしこれも長男を秘書官に任命する「縁故資本主義」であることが露呈した。やはり政治を自民党に任せておくことはできない。(p177-178)

名調子である。
太平洋戦争、原発、東京五輪、コロナ、安倍国葬と失敗を続けてきたが何も変更しない日本社会。
一体、この伝統はいつになれば、直すことができるのであろうか。
今回の件も単に自民党の問題ではなく、それを許してきたわれわれ国民の問題である、と考えて自分の行動を変える方向に向かなければならないと思う。
だから、自民党の方々にも丁寧に「あんたの考えは間違っているよ」ということを丁寧に優しく教えてあげなければならない。
あれほどの悪事を行ないながら、誤りを直せないというのはよほど精神的に問題のある人々なのだから。

安倍元首相暗殺から1年

7月8日で安倍元首相が暗殺されて1年が経った。



このことで、自民党と統一教会との関係が明るみに出され、これは何が何でも自民党や国民は変わるだろう、と思っていた。

しかし、この1年自民党も国民も大きな変化はなく、安倍氏が生存していたままのような政治情勢が続いている。

私自身、その事件まで統一教会の悪事についての知識はほとんどなかったが、この事件の後、知れば知るほど現実の政治の世界でこんなことありうるのだろうか、と驚いた。



反日思想を標榜する宗教団体と保守主義を標榜する政治団体とはそもそも逆の考え方であって、普通は交わることは不可能だ。
まして、その宗教団体は日本国内でのみで集金活動を行って、韓国の教祖に年間数百億円も送り続けているという。考えられない。

統一教会と親しく付き合ってきた議員諸君でそのことを知らない人はいなかったのじゃなかろうか。もし、本当に知らなかったとしたら、そういうボンヤリした人々を選んだわれわれ国民がどうかしている、ということになる。

唯一、共通点を見いだすことができるとしたら「勝(反)共」という観点だけだけれど、それはあくまで教会側が保守議員たちに近寄るための口実であることはミエミエである。

そもそも政治家とは国民の福祉と世界から信頼される独立した国民国家にしていくことにあると思う。そのためにはその政治家には確たる思想が必要なのだと思う。
ところが、彼らはその(反日)思想に目をつぶって宗教団体の資金力とマンパワーに期待した。

早い話、国民から金を搾り取って、政治家にとっての都合のいいような働きをさせていたようなものだ。
今の逆進的税制と似た構造になっている。

結局、彼らはお金と権力が欲しいだけではなかったのか。「日本を取り戻す」なんてことを言いながら。

自民党はこの事件をきっかけに対米従属、統一教会礼賛をやめ政治家本来の業務に戻ってほしい。

自民党と統一教会という矛盾

安倍前首相の暗殺にからんでにわかに「統一教会」の問題がクローズアップされてきた。
私も興味を持って現在唯一といっていい研究書を読みはじめた。

統一教会 : 日本宣教の戦略と韓日祝福
中西尋子
北海道大学出版会
2015-03-27


しかし、如何せん600ページを超える大作なので未だに半分ぐらいしか読めていないが、それなりの組織の本質が分かったのでここまでの気づきをまとめておく。

統一教会は1954年、韓国ソウルで文鮮明(1920-2012)によって設立された。文はキリストにメシア(救済主)の再来であるとのお告げを受けたとするカリスマである。
教義は「メシアである文を父母と思え」ということに尽きる。

また、旧約聖書の解釈を日韓関係になぞらえて、

人間の堕落におけるアダムとエバが、韓国と日本の立場であるとされる。堕落エバはアダムに「負債」があるため、日本が韓国に「侍り」、人材と資金の提供を担うのは当然とされる。とりわけ、「エバ国家」のエバたる日本人女性が合同結婚式において韓国男性と祝福を受け、韓国で生活することが好ましいとされ、韓日の国際結婚によって、両国の「恩讐が清算される」といわれている。(p71-72)

まさに教会は反日的思想を基本としているのだ。

教会は、国際展開し世界に布教を広めたが、多くの国でその手法からがカルトと目され日本と韓国以外で信者を増やすことができなかった。(韓国では農村の嫁不足の対策として日本の女性を祝福で連れてくるということが布教の手段となった)

統一教会は、韓国が世界の中心であるという観点からアメリカを韓国の露払いと位置付けておりアメリカでも熱心に布教したが、経済活動において脱税が発覚し文は実刑の判決を受けた。
現在アメリカでは信者は少ないが、政治においてロビー活動に注力している。その活動費用はもっぱら日本における事業(もっぱら信者からの献金)によって賄われている。

日本国内でも合同結婚式や霊感商法で被害が拡大し、警察が取り締まり訴訟も増えたが、統一教会は、その活動の一つである「国際勝共連合」を旗印に、日本の政界に取り入り、取り締まりの緩和に成功したらしい(安倍元首相が関与したという話もある)。

教義からして反日の「エバ日本説」を取っている統一教会を日本の右翼系政治家が支持するというのは全く矛盾している。それは、「国際勝共連合」を名目に政界に入り込み、無料で秘書を提供したり選挙運動に加担したからと思われる。そのようなロビー活動も信者の献金に支えられているのだが。

すなわち、統一教会には「反日」という側面と別の「国際勝共連合」という2つの面を持っている。布教活動では日本人の原罪を訴え、政界のロビー活動では「勝共」を前面に出すわけだ。

日本の右派政治家たちも、そんな事情を知らないはずもないが、便利なものは何でも使えで便利使いしていたつもりが、実は教会に使われていたことになる。

日本にはオウム事件という世界を揺るがすような事件を経験しながら、またカルトにかかわる大事件を起こしてしまった。
われわれは一体、オウム事件から何を学んだのだろうか。

また、「嫌韓」が受ける右派の人々が「反日」の統一教会にコロッと騙されていた、ということがあからさまになって、今後どのように振る舞うつもりだろうか。他人事ながら心配する次第である。

「働かざる者食うべからず」の真の意味

自民党若手議員が新型コロナウィルス問題に対応するために、休業補償を求めたところ、党の幹部が「働かざる者、食うべからず」と言って、若手の提案を否定したという。



実にいやな自民党幹部の言い草です。そもそも「働かざる者食うべからず」という言葉はなく、中国唐時代の南宗禅中の洪州宗の祖馬祖道一の法を継ぐ禅僧、百丈懐海の言葉の「一日作さざれば、一日食らわず」が改変されたものだと思います。

懐海-001

懐海は禅の修行における作務(労働)をきわめて重視した。そのため高齢となってもその習慣は変えなかった。
しかし、若い弟子たちにすれば高齢になった懐海がいつまでも働いて身体を壊されたら弟子として申し訳が立たない。そこで、弟子たちは懐海の作務の道具を隠して懐海が作務できないようにしてしまった。そしたら、懐海は弟子が出した食事に一切、手をつけなかった。
ハンガーストライキです。
結局、弟子たちもあきらめて懐海の作務の道具を出して元に戻したというお話です。

この懐海の言いたいことを曲解され、他人を批判することにつかわれているのが「働かざる者食うべからず」なのです。

今の日本では、「働く場がないので食べる事の出来ない人」がたくさんいます。自民党の議員諸君は「働ける人に働ける場所を提供する」ことが仕事であるはずなのに、そのことをせず、1%の裕福層に金が回ることばかりやってるのじゃないか?

自民党の幹部も若手も国民に選ばれて国会に生かせてもらい高い給料をもらって働いているのだから一緒になって分かち合いの社会の実現のために貢献してほしい。

自由民主党のどこが保守主義なのだろうか?

現在日本は世界に先駆けて、人口減社会に移行している。
人類は、イノベーションにより生産性が向上した結果人口が急激に増加したわけだが、ここにきて世界的な人口増加が足止めしているという。
人口が少なくなっているのだから経済成長をする必要もないと思うのだが、焦る人々は無理に経済成長を求めて社会がハチャメチャになっている。

そんな世相で先行きを心配する向きが多いが、それをチャンスだと見なす人もある。
広井良典さんの「人口減少社会という希望」には目を開かれました。


この本では人口減少という動向の人類史的考察から転換期をどう生きるべきかという示唆に富んでいるが、近代文明における政治思想についても詳しく解説がなされている。
私がよく分かっていなかったことなので、とても参考になったので備忘録として書き留めておきます。

「保守」=保全(conservation)に基本的な価値を置く。環境政策に親和的

「自由主義」=独立して個人の自由を追求。経済的には市場経済を重視

「社会民主主義」=「個人」を基本にする点は自由主義と通ずるが、格差や環境破壊などが生じるので政府ないし公共部門が積極的に関与し、再分配、規制を行う。

保守=共助、自由=自助、社民=共助というふうに整理できる。(p97-98)

アメリカとヨーロッパでは「リベラル」についての考えが
「リベラル」ヨーロッパでは文字どおり自助主義。アメリカでは「保守」に対照される概念で、むしろ格差の是正や公共事業に重点を置く。

アメリカでは民主党は社民に近いが、「社会主義」を連想させる面があり、「リベラル」の意味が変容し、市場経済に対して政府が一定の介入や是正を行う立場を包含した。→リバタリアニズム

全体をまとめると、以下のような表になる。

IMG_20200213_0011-001

ところで日本の現在の自民党の姿を見るとどうかというと、伝統的かというと、開発主義で「美しい日本」と言いながら一貫して美しかった日本の風景を破壊することを主導してきた。
また、政治に関しても日本の自立を目指すより「不沈空母」などといって一貫してアメリカ従属の路線を貫いてきた。
もっともその姿を露わにしているのが沖縄の辺野古の埋め立て工事と言えるのではないでしょうか。
こういう政党が「保守主義」と名乗ること自体が欺瞞であると言わざるを得ないのである。
ごあいさつ
日々の生活の気づきから人生の成熟を目指しています。

幸せ職場の考え方は、
幸せ職場
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