Yoshiです。
私は現在技術職のサラリーマンですが、その時その時その場その場の職場の活性化という課題に長らく取り込んできました。私と同じように職場を明るくしたい思い秘かに取り組んでおられる方々に読んでいただき情報交換させていただければとても嬉しく思います。
「労働者への教育研修・情報提供」(46.7%)
「管理監督者への教育研修・情報提供」(44.7%)
「社内のメンタルヘルスケア窓口の設置」(41.0%)
といった対処療法のみであるということが分かりました。
このような対処療法では、問題が発生した人々に対してはある程度の解決につながるかもしれませんが、次の発生の防止にはつながらないと考えております。
そこで、私が提案しているのは、職場から強い不安、悩み、ストレスといった精神的負担をなくして幸せな職場にしようということなのです。
そんなことができれば、誰も苦労しないよという経営者の皆さんの声が聞こえてきそうですが、それは可能であり過去の研究や実践の場でもすでに検証されていることなのです。
そしてそれは誰にでも、どの会社でもできることなのです。
続きは次回に。
フレデリック・テイラー(1856-1915)
テイラーはフィラデルフィアの裕福な家庭に生まれ弁護士の父の跡を継ぐべくハーバート大学法学部に入学し勉学に励むも目を悪くし弁護士の道を断念する。その後、機械工の見習いとして職を得、技術者の道を歩み始める。その後、現場での学びの中から科学的管理法を編み出す。
当時の20世紀初頭頃のアメリカの経営の問題として、経営者の側には、経験や習慣などに基づいたその場しのぎ的な「成り行き経営」が一般的であって、統一的で一貫した管理がなされておらず、労働者にその皺寄せが回ることがあるなどの問題を抱えていました。つまり、労働者側は賃金や管理面において、経営者側は生産が適正に行われているかという面で、相互に不信感を抱いていた。
テイラーは、管理についての客観的な基準を作る事で、こうした状況を打破して労使協調体制を構築し、その結果として生産性の増強や、労働者の賃金の上昇に繋がって、労使が共存共栄できると考えた。こうして科学的管理法が考え出されたのです。
テイラー・システムは、しばしは管理主義的な面が強調され批判されることがありますが、テーラー自身が狙いとしたのは、客観的で整合性のある管理基準を整備し労使協調体制を確立して生産性を向上させ生産性と賃金の上昇の同時達成を目指したものであったのです。
このシステムは、テーラーが現場での仕事を通じて編み出したものですが、効果を検証しようという試みがなされるのです。このことが新しい発見を招くことになるのです。
テーラーの原則は以下の3原則によって成り立っています。
特に「課業(ノルマ)原理」について重視していて、
以下の5つの原理を定めている。
テーラーの科学的管理法とは、このような方法による経営管理法であったのです。
このような方法が物事を合理的客観性に基づき指向する傾向の強いアメリカ人であるテーラーによって編み出されたことは、大変印象深いものがあります。
ところが、一方でテーラーの方法は、彼個人の経験に基づくものであって、誰がやってもその方法によって生産性が増加するかどうかわからないので実証しなければいけないという人が出てきました。これもアメリカらしい実証主義です。
実際に8年間にわたる詳細な実験がアメリカで行われました。
場所はシカゴ郊外にあるウェスタン・エレクトリック社(ベル電話会社が前身、現ATT)のホーソン工場(Hawthorne Works)において、テーラーの方法を検証するために1924年から1932年まで8年間にわたりある実験が行われました。
内容は、工場における物理的な作業条件と従業員の作業能率の関係を分析する目的で、社内的に照明実験が行われ、次いでリレー組み立て実験が開始された。この時期からハーバート大学のエルトン・メーヨー、フリッツ・レスリーバーガーらが研究に加わり、さらに面接調査、バンク配線作業実験という一連の研究が行われたのでした。
メーヨーによる8年にわたる研究にもかかわらず、テーラーの科学的管理法の有効性は立証できなかったのでした。
それどころかこの研究の結果、労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも職場における個人の人間関係や目標意識に左右されるのではないか、という仮説が導き出されたのでした。
また、集団内には「能率の論理」に規定される非公式組織が存在すること、非公式組織における仲間意識や集団内の規範が作業能率に影響を与えることをメーヨーは突き止め、人間関係論を展開しました。20世紀初頭に科学的管理法がテーラーによって提唱されて以来、これが経営管理論の主流でしたが、この実験以来、人間関係論が2つ目の大きな流れとなったのでした。
エルトン・メーヨー(1880-1949)
次号に続く