日本のGDPがドイツに抜かれて4位になったことが大きく報道されている。
そりゃ、第二次安倍政権で無茶苦茶な経済政策をやり続けてきたので仕方がないと思うが、GDPにだけ気を向けているとマズイと思う。
それ以上に経済(お金)はあくまで手段であって目標ではないことに注意をしておかなければならないと思う。
人間が生きている意味とは究極的には日々の「幸せ」であり「喜び」であろうし、国レベルであれば「心地よい環境」とか「安全」で「安心」して暮らせるというようなことが目標になるべきであろう。
そういう観点で今のわが日本を見ると、一体われわれはこの間、何をしてきたのか?という疑問を抱かないわけにはいかない。
荒れ果てる山河。手つかずの植林地、休耕田。急傾斜の山の斜面にべったりと張り付いた太陽光パネル。
旧塩田や空き地に敷き詰められた広大な太陽光パネル。
全国どこでも同じようなJR駅前風景。調和のない街並み。さびれた商店街。
周りに調和しない場所にヘンテコな恰好をした巨大な公共建築。
果たして、この現状がわれわれが経済成長をすることで目指してきたものであろうか。
日本を抜き去ったドイツと比べるなんてことは不可能だろう。彼らは空爆で破壊された石造りの建築を再現し、コミュニティを守り、公共財を維持してきている。社会の共通資本を比べるなんて初めから無理だ。
私自身に振り返ってみると、日本の経済成長の真っただ中で生きてきたものの、そのこと自体に違和感を持ち続けてきた。
バブル時期の人々の行動には全く参った。だからバブルが終わってヤレヤレという気持ちだった。
その期間中も「人間の人生とは何か?」「幸せとは何か?」というような問題ばかりを考えていたので、経済についても何も考えてこなかったような気がする。
その結果、私自身は毎日幸せを感じながら生きているのだが、今まで「経済大国」という虚偽のプライドをアイデンティティとして生きてきた人々は没落する日本経済の中でどう生きていえばいいのだろうか。
今からでも遅くはないので「自分が生まれた意味」「幸せとは何か?」というような根本的な目標について考えることをお勧めする。
いつまでも経済という手段を目標だと勘違いしている内は自分の人生を改善することはできないのではないだろうか。