日本の新型コロナウィルス感染が夏になっても収束しない。
先日、日本での新型コロナウィルスの抗体検査の結果が報道されたことに関して記事を書きました。このまま何の対策を取らなくてもアウトブレイクの心配はないのだろうか。
一方、集団免疫という観点からは、日本は、集団免疫からはるか遠い地点にいる。
東京での検査の結果、抗体の陽性率が0.1%ということで愕然としたことでした。
感染者が極めて少ない段階で医療崩壊一歩手前まで来ていたことを認識していないといけません。
そんな中、オーストリアのチロル地方の村で半数の村人が陽性であったとの報告があった。
記事によると、
3月上旬に観光客の新型コロナウイルス感染が発覚したオーストリアのスキーリゾート地イシュグル(Ischgl)で、地元住民の42.4%が新型ウイルスの抗体を保有していることが確認された。
イシュグルを含むオーストリア西部チロル州にある複数のアルプスのスキーリゾートではこの春、観光客数千人が新型ウイルスに感染。ドイツや米国、シンガポール、香港など世界各地にウイルスが拡散する原因ともなったらしい。
2千人に満たない村でその何十倍もの観光客で三密そのままの生活を送っていたわけだから、外から感染者が入ってきたら集団感染しないほうがおかしいくらいのシチュエーションだったわけです。
しかし、この数千人もの感染者が出てよく医療崩壊しなかったものだと驚くが、医療体制はかなり充実したものなのだろう(私もオーストリアに居たときに一度入院したことがあったが、実に充実した設備と対応だった)。
このチロルの村の場合も無症状の感染者が多かったことで、85%は無症状だった。
この85%が無症状という事実をふまえると、すでに症状のある患者だけを検査をして隔離するという日本の対応はいかに的外れなものであったことがわかる。
チロルの村と日本の実情を比較することで、第一波の対策としていかに医療施設と体制の充実が必要かということが理解できる。