日々の気づきノートです。

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過去に読んだ本で気に入ったテクストのアンソロジーです。

「勇気の名言集 第2巻」が出版されました。

勇気の名言集 第2巻
今宿 葦
2022-02-14

2020年06月

チロルの村で半数が陽性

日本の新型コロナウィルス感染が夏になっても収束しない。

COVIT19

先日、日本での新型コロナウィルスの抗体検査の結果が報道されたことに関して記事を書きました。このまま何の対策を取らなくてもアウトブレイクの心配はないのだろうか。

一方、集団免疫という観点からは、日本は、集団免疫からはるか遠い地点にいる。



東京での検査の結果、抗体の陽性率が0.1%ということで愕然としたことでした。
感染者が極めて少ない段階で医療崩壊一歩手前まで来ていたことを認識していないといけません。

そんな中、オーストリアのチロル地方の村で半数の村人が陽性であったとの報告があった。



記事によると、

3月上旬に観光客の新型コロナウイルス感染が発覚したオーストリアのスキーリゾート地イシュグル(Ischgl)で、地元住民の42.4%が新型ウイルスの抗体を保有していることが確認された。

イシュグルを含むオーストリア西部チロル州にある複数のアルプスのスキーリゾートではこの春、観光客数千人が新型ウイルスに感染。ドイツや米国、シンガポール、香港など世界各地にウイルスが拡散する原因ともなったらしい。

2千人に満たない村でその何十倍もの観光客で三密そのままの生活を送っていたわけだから、外から感染者が入ってきたら集団感染しないほうがおかしいくらいのシチュエーションだったわけです。

しかし、この数千人もの感染者が出てよく医療崩壊しなかったものだと驚くが、医療体制はかなり充実したものなのだろう(私もオーストリアに居たときに一度入院したことがあったが、実に充実した設備と対応だった)。

このチロルの村の場合も無症状の感染者が多かったことで、85%は無症状だった。
この85%が無症状という事実をふまえると、すでに症状のある患者だけを検査をして隔離するという日本の対応はいかに的外れなものであったことがわかる。

チロルの村と日本の実情を比較することで、第一波の対策としていかに医療施設と体制の充実が必要かということが理解できる。

拡大G7に対する日本の姿勢?

誰からも信用されなくなったトランプ大統領だが、最近「拡大G7」という構想を持ち出した。
旧来のG7に加えて、ロシア、韓国、オーストラリア、インド、ブラジルろ加えるというアイデアらしい。



再選危うしの情勢の中、思いつきで色んなことを言いだす人である。追加メンバーを見ると、G7を中国包囲網にすることをネライにしているようだが、政治経済の世界で中国を敵に回して何を得ようとしているのか。

それよりも心配なのは、このトランプの提案に対する日本の姿勢だ。
日本政府高官が米政府に対し、韓国の参加に反対する考えを伝えていたという。

日本側の対応にはアジアから唯一G7に参加する外交的優位を守る思惑もある。安倍晋三首相の意向を踏まえたとみられる。歴史問題などで対立する日韓関係の冷却化を進める可能性がある

とのことだが、韓国はすでに一人当たりのGDPで日本を追い越しており、経済で日本と肩を並べている。これを機会に東アジアにおける中国との均衡を図る上で日韓の連携は欠かせない。
そのような状況の中、韓国がG7に参加することは日本として大いに歓迎すべきことであるとしか考えられない。
冷え切った両国関係を改善するためにも、日本が韓国を歓迎するほうが良かった。
隣国間の関係を冷却化することを目指して地域の安定をそこなうようなバカは普通いない。

再選が難しくなったトランプがめくらめっぽうに打ち出す散弾だが、うまく使えば今まで固着して動かすことができなくなった問題を動かすことができるかもしれないと思っている。

特に基地問題などは、トランプは実情をほとんどご存知ないようなので、賢い指導者だったら、改善の手を打つことができるんじゃないかと思っているのだが。

ドキュメンタリー映画「13TH(修正13条)」を観て

アメリカでBLM(Black Lives Matter)運動が盛り上がっている。先日も6月16日に「差別の根底にあるもの」として記事を書いたが、その後、アメリカのドキュメンタリー映画「13TH」を観てあらためのこの問題について考えてみた。



1時間40分のドキュメンタリーだが短い発言をつないで飽きることはない。字幕もコンパクト。ぜひ、通して観られることをお勧めします。

タイトルの13Th とはアメリカ合衆国憲法修正13条のこと。

第1節 奴隷制もしくは自発的でない隷属は、アメリカ合衆国内およびその法が及ぶ如何なる場所でも、存在してはならない。ただし犯罪者であって関連する者が正当と認めた場合の罰とするときを除く
第2節 議会はこの修正条項を適切な法律によって実行させる権限を有する。

最初にアメリカが世界の人口が5%しかないないのに受刑者が25%であることが指摘される。それほどの受刑者がいるが、そのほとんどは薬物使用などの軽微な罪、あるいは冤罪が多いという。
これがアメリカ特有の「産獄複合体」が原因であることを指摘するというのがこの映画の骨です。
そしてその根拠となっているのが、憲法のこの「ただし条項」だというのです。

南北戦争が終わって、アメリカで奴隷が存在しなくなったが南部の900万人の奴隷の行き場がなくなる。
南部の奴隷たちは各地に貸し出され、結局、黒人たちの実情は奴隷だった頃とは変わらなかった。各地では隔離政策が取られ、KKK(白人至上主義の秘密結社)によるリンチが多発する。

キング牧師などの公民権運動により隔離政策は見直されるが、ニクソンによる「法と秩序」政策により人種差別問題が犯罪取り締まり強化にすりかえられた。
「法と秩序」政策はニクソンにより提唱されたが実際に運用されたのはレーガン政権になってからだった。
レーガンは、新自由主義の経済界と連携して「法と秩序」を「産獄複合体」のメカニズムで拡大する。
すなわち、安価な合成ドラック、クラックコカインを大量に生産し黒人たちを刑務所に送りこむ。まるでアヘン戦争を国内でやっているようなもんだ。

刑務所は民営の刑務所運営会社CCA(Corrections Corporation of America)によって運営され、囚人の労働は搾取される。

このような政策はロビー組織であるALEC(米国立法取引協議会:American Legislative Exchange Council)の活動により現実化されている。日本であれば経団連のようなもんだが、現在の日本では官邸がもっともこういう新自由主義的立法には熱心だ。

レーガノミクスはこのような政治が新自由主義に取り込まれた結果であった。サッチャー改革、アベノミクスしかりである。

しかし、新自由主義の台頭に後れをとったアメリカの民主党が焦り、あろうことかクリントンが法律をさらに強化してしまった。スリーストライク法(3回犯罪を犯すと終身刑になる)で刑期の長期化を招いた。

クリントンは後に、この政策の誤りを認め謝罪したのはさすがだと思った。

初めての黒人大統領オバマは初めて刑務所を視察したが、決定的な対策は打てずじまいで現代のトランプ時代を迎えている。
現在アメリカの黒人の3分の1が入獄しているが、白人は117人に1人に過ぎない(それでも多いようだが)。とにかく刑務所産業というものが巨大なものになっている。

この流れを見ていると、経済が奴隷や産獄複合体を生み出したという流れになっているように見えるが、私は「差別」が経済を呼び出している、と見る。
つまり「差別」が目的で「経済」は手段だと。
それほど差別は人間のこころの根源の問題だと思う。この映画では経済で差別の問題を描こうとしているが、「差別がどこから出てくるのか」という議論が抜けているように思った。

「お金がないと幸せになれない」という近代の幻想がこのような問題を生み出しているが、「幸せになること」を何よりも優先させる人生を選択すると「経済」や「地位(これが差別意識を生む)」は決定的な要素ではないことが分かるのです。

現代日本社会を見ると、黒人差別はないが、外国人に対する差別は厳然として存在している。また、「派遣法」により非定期就業者を増加させ格差を拡大する政策が大手を振って歩いている。

徴用工(産業奴隷)・慰安婦(性奴隷)・サラリーマン(社畜)などの奴隷制度を生み出してきた日本の政府があらたな非定期労働者や海外労働者というあらたな被差別階級を作ろうとしているのではないだろうか。

日本のお金持ちの皆さんも、お金だけでは幸せになれないということに早く気づいてほしいと思う。

ヘンデル「王宮の花火の音楽」

4月19日のブログで「わが家でコンサート」について書いたが、その後もDeucalion ProjectさんのYoutubeにアップしてくれる音楽を中心にクラッシック音楽を楽しんでいます。



コロナ禍であっという間に月日が経ってゆく中、早くも夏になってしまいました。そういえば、夏に東京五輪なんて言っていたな、と遠い昔の話のような気がしてきます。

夏の音楽で最近のマイブームはヘンデルの「王宮の花火の音楽」です。

Wikipediaによると、

1748年にオーストリア継承戦争終結のために開かれたアーヘンの和議を祝う祝典のための曲。祝典自体はロンドンのグリーン・パーク(英語版)で1749年4月に催された。祝典は盛大なものだったが、花火がうまく点火せず、さらにパビリオンのひとつが焼け落ちるなどの失敗に終わった。

私が選んだのは、ストコフスキー・RCAビクター交響楽団の1961年の録音でした。
そしたら、今までに聴いたことのないようなエレガントな音楽が聞こえてきます。
16分6秒ごろから始まる歓喜(La réjouissance, ニ長調)という楽章です。



何で初めて聴いたかというと、私はジョージ・セル・ロンドン交響楽団のCDを持っていて、いつもはそれを聴いていましたがその録音では省略されていたのです。

Deucalion Projectさんのチャンネルにはレーマン・ベルリンフィルの演奏もアップされていて、それにも含まれたいますが、レーマンは流れるような清新な演奏です。

ストコフスキーのこの楽章の演奏はゆったりとしていてまさにエレガントという言葉しか浮かびません。
ストコフスキーというと豪華絢爛というイメージがありますが、こんな素敵な演奏があるとは知りませんでした。

ちなみに、この録音では花火の実音も入っています。「序曲1812年」でも実音の大砲の音を入れていますが、まさにスペクタクル好きのストコフスキーならではです。

蒸し暑い日本の夏ですが、毎朝このエレガントな音楽を聴いて明るく一日を迎えています。

新型コロナウィルス第2波とわれわれの暮らし方

北京ではパンデミック第2波の発生が報告されている。連日20人以上の新規感染者が出ているとのことで、数字そのものは東京より少ないようだ。



一方の東京は、昨日の新規感染者が48人で北京よりも多い。しかも、グラフを見ると3月末のパンデミックの様相はないものの5月末に最小値となったが、次第に増加に転じ最近の新規感染者の発生数が底堅く、これから減少するような雰囲気はない。

東京推移

このトレンドを見せられて、放っておいても大丈夫だと言える人は少ないのじゃないだろうか。
しかし、今からまたロックダウンするという気もしないだろう、都知事選もあることだし。
ということで、日本ではその時の気分や思惑で根拠のない判断がなされるし、公的な検証もなされないので、何でも自分で準備しておく必要がある。

今の流れからすると、知事選後に第二波パンデミック、というシナリオのような気もするが、都知事にそこまで計画性があるようにも見えない。

日本では緊急事態宣言の解除、国会が終了し、専門家会議が早々と廃止され政治の世界では幕引きなのかもしれないが、現実は厳しい。世界的には感染は拡大の一途でまさにパンデミックの勢いは止まる兆候はない。

世界推移

専門家会議が廃止された。まさに幕引きだが、専門家会議の委員たちが口を開き実態が明らかにされたが、想像していたとおりのようなことだったらしい。



専門家会議はやるけど、それはそれとして政府のやりたいシナリオを粛々とやってきたようだ。だから議事録などとても外に出せるようなものではなかったのだろう。自分たちで検証をすることはないし、他者ができるようにもさせない。

しかし、われわれは第一波を経験して、身の回りではそれほど大した感染もなかったし、このまま新しい生活スタイルというより長らく惰性のついた通常の日常生活に段々に戻りたい、というのがホンネじゃないだろうか。それを政府や東京都知事が代弁してくれているような気がする。

抗体検査でも東京では陽性率はわずかに0.1%。これを数十パーセントにするには果てしない時間がかかる。



それなら今のレベルでボチボチやっていて、行政はアウトブレイクする度にあわてながら「大丈夫だ、安心しなさい」というスタイルを続けるしかないような気がする。

考えてみると、太平洋戦争の時の大本営発表と国民の反応と同じだが、日本人にとって慣れ親しんだこのやり方が性に合っているという気もする。

主体性のない話だが、こんなふうなゆるい対応で抗体陽性率を上げることができるのであれば、それでいいのかという気もする。

それにしても、いざ本格的な第二波パンデミックといったときにこの調子で本当に大丈夫なんだろうか?疑問は尽きないが答えもないので状況を注意深く観察し続けるしかありません。
ごあいさつ
日々の生活の気づきから人生の成熟を目指しています。

幸せ職場の考え方は、
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