日々の気づきノートです。

姉妹ブログ「勇気の出る名言集」を始めました。
過去に読んだ本で気に入ったテクストのアンソロジーです。

「勇気の名言集 第2巻」が出版されました。

勇気の名言集 第2巻
今宿 葦
2022-02-14

2019年04月

姫路交響楽団 第81回定期演奏会

姫響の春の定期演奏会。第81回の定期演奏会です。毎回サプライズの姫響演奏会ですが、今回は修繕工事の終了したパルナソスホールでの開催です。

いつも気合の入った整理券ですが、今回はシンプルデザインです。

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文化ホールよりは近いので気を許して13時半くらいに家を出たのですが、文化センターに比べるとホールが小さいこともあり、到着時には前の方の席しかなく前から3列目に座る。

プログラムもいつもと同様な立派なものです。

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ボヘミヤの初夏の雰囲気がよく出ています。

演目は、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」、ホルストの「惑星」から、火星、水星、木星の3曲。メインはドボルザークの第7交響曲。

「ジークフリート」は、ワーグナー2番目の妻コジマとの間に生まれた息子にちなんで名づけられたが彼自身の作品の楽劇「ニーベルングの指輪」の主人公、「ジークフリート」にちなんでいることは言うまでもない。ところで、コジマといえばフランツ・リストの娘で当時の名指揮者であったハンス・フォン・ビューローの妻であった人です。ちょっとどうかと思うのですが、ワーグナーとビューローは決斗とかにはならなかったのは、さすがというか私には脱力ですね。このごろの日本の政治経済の情勢みたいなものです。
でも、「脱力」って案外大事で、怒りを通りこして脱力してしまえば、精神衛生上は良いに決まってます。ワーグナーやコジマも日本の政権担当者も大いにやってくれたまえ、と言っておきましょう。

演奏の前に驚いたのが今回の弦楽パートの配置です。第二バイオリンが右サイド。その奥がビオラ。左の第一バイオリンの後ろにチェロ、その奥にコントラバスです。
第一バイオリンと第二バイオリンの対位法的効果が出やすいというのがあるのかもしれません。私には違いは分かりませんでした。
要は、どちら楽員の皆さんが気持ちよく演奏できるか、によるのでしょう。

とても、いい演奏で序曲として大変気持ちよく聴かせてもらいました。ワーグナーの曲は「くどい」のが特徴ですが、この曲はさほどではありません。でも、ワーグナーであることは確かだという「くどさ」は抜けきれません。

続いて、ホルストの「惑星」。
これは有名な曲で、盛り上がりました。右に電子楽器が置かれましたが、シンセサイザーでチェレスタです。以前の第78回の演奏会での「くるみ割り人形では」ではピアノで代用されたが、今回は電子楽器ながら、やはり雰囲気を出していました。ハープも2台参加してとても輝きのある演奏でした。

それにしても火星の戦争(第一次世界大戦)にはじまり、東西冷戦の終了で終わった20世紀が人間の勇気によって平和がもたらされる(木星)というこの日の構成は、すばらしいと思いました。残念ながら地球上の平和の実現は未完のままですが、「木星」は私に勇気を与えてくれました。

メインのドボルザークの「第7番交響曲」は私にとって初めてだったので予習をしておきました。
セル/クリーブランドの古い盤。



演奏は、この曲の壮大さを見事に表現していました。
私が気に入ったのは第三楽章。8番、9番も第三楽章が好きです。ボヘミヤの風景が目に浮かんでくるようです。

大いに盛り上がって大歓声でした。

アンコールは、「スラブ舞曲」。一緒に行っていた妻が何と言う曲だと聞くので「スラブ舞曲、ブラームス」と答えたが、エントランスで見たら、「ドボルザーク作曲「スラブ舞曲 第二番」と出ていました。ブラームスは「ハンガリー舞曲」でした。
この曲を聴くとプラハの秋の夜の情景が目に浮びます。
いつも思うんですが、このオーケストラはアンコールで輝くような気がする。おかげで気持ちよく帰途につける。

ところで、次回の定期公演はメンデルスゾーンの「イタリア」。今の時期これが聴きたかった気がする。
一方、今回のプログラムは(アンコールも含めて)秋に聴きたかったなと勝手なことを思った。

播但一揆

先日の福崎町訪問の際、三木家住宅を訪問して、ボランティアの方から「播但一揆」について少し伺いました。

気になったのでネットで情報を探してみたのですが、ネット上にはほとんど情報が上げられていない。
唯一の情報は地元の歴史家山田栄さんの「播但一揆考」という本です。
さっそく読んでみました。

「播但一揆」考
山田 栄
神戸新聞総合出版センター
2008-04


播但一揆は、明治4年10月13~16日に播州と但馬を中心に起こりました。原因として考えられているのは、明治政府の平民政策に対する反乱というのと、政府の政策全般(特に同年に施行された廃藩置県)に対する不信感という二つの原因が推測されていて決定的な結論が出ていなかったようだ。

確かに一揆が発生した時点で現在の兵庫県下には2つの縣と40以上の藩や私領に分割されていたのです。新政府からの掛け声一斉に廃藩置県になったわけでもない。

そんな状態でこの事件は起こりました。

一番問題になったのは、政府の「解放令」に対する農民の反対の意思表示だったのです。
「解放令」とは四民の下に置かれた被差別階級を「平民」に取り込もうという考え方だったのです。しかし、この考え方は政府内で6月にいったん却下された。その直後の7月には廃藩置県が施行。また、その後、6月に否定された「解放令」が8月に布告されたのでした。この2カ月に巻き返しがなされたのも面白い展開でしたが、いかに新政府内で柔軟な議論がなされていたのか興味深く読むことができます。

そのような混乱の社会情勢の中、播州や但馬の農家の人々に最もインパクトを与えたのが「被差別階級の解放」であったというのは奇異な感じがします。

しかし、当時の農民にとっては、支配者が誰であるかよりも被差別階級が無くなることのほうが大問題であったということなのです。

また、この事件で「大庄屋」が襲われたという理由が分りにくいのですが、大庄屋は支配者側の立場にあるからなんだそうです。一方の「庄屋」は農民側。実際、福崎の三木家の母屋の半分は役場だったのです。

だから、事件で襲われたのは大庄屋と縣の役場だったのです。そして裁かれたのは「庄屋」であったのです。同じ「庄屋」と名がついていても機能が全く異なるのです。

それにしても、農民が被差別階級の消滅にそれほども危機感を抱いたのには驚きます。ということは徳川の統治にこの施策が以下に有効であったことを物語っています。これが現代に生きるわれわれもよく承知しておく必要がある。こころの中の差別意識がいかに根強いか、あらめて自分の心に問いたい。

また、柳田国男の「故郷70年」でもこの事件について書かれていないそうだ。三木家で何年も暮しながらこの話の出ないほうがおかしい。おそらくこの事件は地元では、封印され柳田の生きた時代でも表立って語りにくかったのであろう。

現代に振り返って、ヘイトスピーチやネトウヨの言説などとりあげるまでもなく、われわれの心の中には差別するこころが息づいている。単に否定しているだけでは、問題は解決しないのだろう。自分自身の問題として捉える必要があるとあらためて気づきました。

福崎の三木家を訪問してこのようなことに気づけてよかったと思いました。

夢前川ウォーク

今年の桜の開花は遅かった。また、咲き始めてからも花冷えで寒かったので長い間桜の花を楽しむことができました。

私の実家訪問の予定のない、4月8日(月)に自宅から夢前川岸の花見に行くことにしました。今回は、できるだけ距離を歩こうということで、自宅から夢前橋で左岸にを歩き、英賀の手前の才崎橋で右岸に渡り、そこから北上してまた夢前橋を渡って帰ってくるというコースにしました。トータルで15㌔ほどです。

ランチ用にお握りをつくり、10時のお茶が済んでからゆっくりスタート。
この日は暖かく風もないので気持ちのよい散歩です。

車の多い十二所バイパスを西に向かって30分ほど歩くと、夢前橋。

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ここから左岸を南に向かって歩きます。

桜は5分咲といったところで、まだまだ蕾がたくさん残っています。
先日登った対岸の青山の裏山を望む。

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河川敷ではちょうどナノハナも満開。

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サクラのピンクとのコントラストも美しい。

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左岸にはサクラのトンネルがあり名所になっています。

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満開でなくて残念ですが、素晴らしい並木です。

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もともとサイクリングロードなのですが、この日は自転車よりも散歩している人の方が多いです。

立派なサクラの樹は、大きな枝を伸ばして路に覆いかぶさり土手の斜面に届かんとしているます。

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夢前橋から約1時間で才崎橋東詰に到着。

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歩行者専用の橋が車道にそって設置されており、安心して歩くことができます。

橋の上から下流側を望む。英賀、広畑の町を望む。下流の橋は山陽電車の橋のようです。

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才崎橋を渡る。東には京見山。そういえば、当初は、JRで播磨勝原まで電車で行き、京見山を登って夢前川に降りる計画も考えていたが、前日の強い雨が降ったので足元が悪かろうと思い、今回のコースに決ったのでした。

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河川敷の広場で気持ちの良さそうな場所があるので、そこでランチにします。

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大きなおにぎりとカップラーメン。

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食事の後は右岸を夢前橋を目指して歩きます。

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自転車道の横のスペースには住民が草花を植えて花壇にしています。早くもシバザクラが良く咲いています。

夢前橋の北側の河川敷は花見の名所です。平日にもかかわらずたくさんの人たちが花を楽しんでいます。(夢前橋の上から)

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この後、マクドでアイスクリームとコーヒーでお茶の時間。その間の話で妻が黒田官兵衛の初陣で陣を構えた土器山(かわらけやま)へ行ったことがない、というので時間も早いのでそちらに回ってみることにする。

船越神社から右に金毘羅神社に向かう道があり、金毘羅さんの左に登山道がある。

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境内はサクラの樹が多いがここでも3分から5分咲きです。

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登山道の途中には早くもツツジの花が咲いている。

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登り始めてほどなく頂上に到着。14時半前。

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黒田官兵衛青山合戦陣地跡の看板がかかっている。

木の枝ごしに若干の見晴らしがあるが、西を見ると青山の山々と夢前川が望め、夢前川が赤松との境界線であったことがよくわかります。

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下山して私は途中でスーパーで買物、妻は直接帰宅。5時間15㌔の散歩でした。

ブログ運用の変更について

いつもブログ「葦の気づきノート」と「勇気の出る名言集」のご愛読ありがとうございます。

以下の理由により今後「葦の気づきノート」は、「読書からの気づき」については「勇気の出る名言集」で扱うことにしました。

勇気の出る名言集は昨年(2018)1月にスタートして1年以上経過したものの、アーカイブにはまだ多くのストックが残っており、すべてのテキスト化にはさらに10年近くを要することが予想されています。また、ここ数年の読書からの抜き書きも数年のストックがあり、さらに増え続けるという状況です。

そこで、今後はストックの消化(過去の読書からの学び)に主力を注ぐこととしました。
「葦の気づきノート」は、毎日の更新はしませんが、読書以外からの日々の気づきはひき続き更新していきます。

取引の社会 その4完

法条文そのものと運用にはかならずギャップが生じる。そのギャップにも日米で差があり、その差異にその国の文化がうかがえるのです。

  • アメリカにおける裁量は、いわば「取引」型であり、日本におけるそれは「酌量(情状酌量)」型であるということができるのではなかろうか。(p168)

思い出すのは現役時代のイギリスとの商業契約のことでした。大きな金額の交渉で、両者の根本的な考え方の違いから事務局レベルの交渉はデッドロックに乗り上げてしまい。上のレベルでの交渉での解決が探られました(問題が専門的で上層部には契約の意味を理解している人がいませんので、そもそも上層部での交渉というのも無理があったのですが)。日本側から副社長クラスが渡米して交渉したのですが、その人が相手に言った言葉が「武士の情け」でした。翻訳不可能でしょうが、それで何とか契約を成立することができました。
このことからも裁判だけでなく、日本での何でも「酌量」で解決できると思い込んでいることがよくわかります。

  • 当事者双方にとって一定限度内でも解決、つまり「取引」は、「取引」の行われないより望ましいという意味で「協力」がなされ、当事者における利益の分配、つまり事態がどのように解決されるかという点においては「対立」がある。すなわち「当事者双方は解決することに利益を持っているが、どのような解決がなされるかに関しては多様な利益関係を持っているのである」。(p169)

私の経験に照らすと、案件自体は双方にとって大きな意味を持っており問題は、合意点が双方の論理に合うかどうか、という点に集約されていたと思う。双方に都合のよい説明ができるが、契約内容に紛れがないということが最終目標であった。そういう場合には「取引」が成り立つ。
ところが日本の刑法の運用の場では、

  • それに対してわが国における裁量は、裁量の主体、つまり裁く者が「犯人の性格・年齢・境遇。犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況とその他すべての情状を斟酌して適切と認められる処置を行うことである。(p169)

同じ立場の人間同士であれば、「取引」が成り立つが、立場の異なる人間間では「取引」は成り立たない。「法の下の平等」である。ところが日本では「犯罪者」には人権が認められていない。下に置かれた犯罪者はお上の酌量を求めるしか手段がないのです。
結局、日本の法は江戸時代のしきたりで裁かれているのです。

私は司法制度の改革が叫ばれ、法改正がなされたものの、アタマを変えなければ、より社会を混乱させることになるのではないかと怪しんでいるのです。
ごあいさつ
日々の生活の気づきから人生の成熟を目指しています。

幸せ職場の考え方は、
幸せ職場
をご覧ください。

「勇気の名言集 第2巻」が出版されました。

勇気の名言集 第2巻
今宿 葦
2022-02-14
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