日々の気づきノートです。

姉妹ブログ「勇気の出る名言集」を始めました。
過去に読んだ本で気に入ったテクストのアンソロジーです。

「勇気の名言集 第2巻」が出版されました。

勇気の名言集 第2巻
今宿 葦
2022-02-14

2018年06月

独立国家のつくりかた その2

路上生活者の佐々木さんからすると、現代社会に生きている人間はどう見えるのでしょうか。


  • 暮らしにこれだけお金がかかるという理由でやりたくもない仕事をしている人は、佐々木さんによると「馬鹿」らしい。つまり「考えていない」。(p30)
現代の日本社会の最大の問題ともいうべき職場環境の悪化というのは、人々お金がなければ生きていけないという幻想を何の疑問もなく信じ込んでしまっており、それを経営者や政治のリーダーが利用しているからです。
ところが当の経営者や政治家自身も「お金がなければ生きていけない」ということを信じこんで奴隷になっているという現実を見逃してはいけません。
今の日本は奴隷の親分が奴隷を使い倒しているという状況なのです。
  • 35年ローンを組んで、大きな借金を背負って、おかげで働きゃないけなくて、それによって会社、銀行がちゃんと運営できて「万歳、経済発展!」というのはどこかおかしいような気がする。そんな単純な話じゃないんだよと人は僕に言うのですが、ではそのような複雑なシステムなんですかと聞いても、誰も教えてくれない。つまりわかっていないのだ。
     わからないことは、考えて答えをださなくてはいけない。簡単なことだ。(p31)
この一番単純で大事なことを学校や社会では教えない。頭から社会のキメゴトを教えることが教育だと思っている。
でも、今からでも遅くない、分からないことは自分のアタマで考えて答を出すことだ。
  • 私的所有することができた土地を建築物で囲っていく。そうすることが空間をつくり上げることだとしている。しかし、それは本当なのか。僕はそうは思わない。なぜなら、どんな壁をつくって自らの領土に建築物をつくったとしても、空間は増えないからだ。むしろ減る。
     それに対して、路上生活者たちの空間の捉え方は違った。もともと自分の土地というような私的所有を断念せざるをえない状況で生きているので実際に買うことができない。そこで、彼らは自分たちのレイヤーをつくることにしたのだ。…
     路上生活者たちは、マジシャンではない。ただ思考しているのである。建築では空間を生み出せないけれど思考では生み出すことができる。(p32)
ビルにはビルという用途しかないが、路上生活者の思考のなかには、あらゆる可能性がある。路上生活者を蔑む文明人だが、そのアタマの中の豊かさにはどれほど大きな違いがあるだろうかと思う。

独立国家のつくりかた その1

坂口恭平さんは、早稲田の建築学科で学んだ人だが普通の建築家の道には進まず、組織に巻き込まれない自由な人間の生活をプロデュースしている。
大学の卒業研究では路上生活者をフィールドワークし、お金なしにいかに自由に生きられるか、ということを明らかにした。
グローバル資本主義者には信じられない話だが、現実に可能であり、人がものの見方さえ変えれば何でも可能であることを教えてくれています。


  • 晴れていれば、隣の墨田川公園で本を読んだり、拾ってきた中学校の音楽の教科書を見ながらギターを弾いたりできる。トイレも水道も公園にあって使い放題。風呂は一週間に一度、近くの銭湯に行く。食事はスーパーマーケットの掃除をしたついでに肉や野菜をもらえる。だから、家は寝室ぐらいの大きさで十分だーー。
    …彼にとって、公園は居間とトイレと水場を兼ねたもの。図書館は本棚であり、スーパーは冷蔵庫みたいなもの。そして家が寝室。
     それを僕は「一つ屋根の下の都会」と名付けた。家だけが居住空間なのではなく、彼が毎日を過ごす都市空間のすべてが、彼の頭の中でだけは大きな家なのだと。同じモノを見ていても、視点の角度を変えるだけでまったく別の意味を持つようになる。彼の家、生活の仕方都市の捉え方には無数のレイヤーが存在しているのだ。
     彼が見ているレイヤーは普通の人が見ているレイヤーとは違うので、誰にも気付かれないし、誰からも奪われない。同時にそこを他の人が使っても文句がない。彼はこれまでの所有の概念とはまったく違った空間の使い方をしているのだ。(p24-25)
見方(パラダイム)を変えれば世界の見え方が変わる。路上生活者たちは、社会から追い込まれて余儀なく路上生活を強いられると思っていたが、そのような生活を強いられた結果、見える風景がすっかり変わってしまい、自由の天地が開けたのです。
  • おもしろいことはお金がかからない。(佐々木さん、P28)
その通りだと思う。われわれは資本主義者に「お金がなければ楽しめない」という思想に洗脳されている。実は、この宇宙に一人しかいないユニークな私が楽しめることってお金の価値を超えたものでしかありえないのです。
  • 路上生活になってもどうなっても、おもしろいことを知っているだけで生き方は変わるのにね。みんな何やっているんだろう?(佐々木さん、p29)
ブッダも路上生活者でした。彼も佐々木さんと同じような世界が見えていたのだろうと思います。

あじさいの里とヤマサ紫陽花群生地

木曜日は午前中、妻のコーラスの練習があるのであまり出かけることはないのだが、6月14日(木)は梅雨の中、天気が良かったので妻からアジサイを見に行くと号令がかかった。

ネットで調べて近隣のアジサイの名所を探すと、安富町の安志稲荷のあじさいの里が有名ということで午後から行ってみることにする。

13時45分あじさいの里駐車場に到着。
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広い駐車場に先着の車は1台だけでした。
駐車場の上には、「光久寺と安志小笠原家」という説明板。
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光久寺と安志藩小笠原家
光久寺は山号松寿山。真言宗醍醐派。播磨西国八十八所第二十九番。安志藩小笠原家の祈願所だという。
家康の家臣であった小笠原秀政は家康の長子信康の娘(登久姫)を妻とし関ヶ原の後に信濃飯田五万石、慶長十八年(1613)信濃松本八万石となるが元和元年(1615)大坂夏の陣で秀政・忠脩(ただなが)父子は真田幸村と交戦して戦死、次子忠真(ただざね)が家督を相続したが、寛永三年(1626)に忠脩の子長次が龍野六万石の大名に取り立てられると、忠真は小笠原案嫡流に代々伝えられた不動明王立像などを長次に譲渡した。寛永九年(1632)長次は中津八万石に封じられ光久寺は中津城二の丸に建立されたという。
 しかし五代長邕(ながさと)は享保元年(1716)6歳て早世し、幕府は無嗣断絶にするも改めて3歳の弟長興(ながおき)を安志一万石に取り立て小笠原家嫡流を存続させ、七代を数え維新を迎えた。

後で調べたところによると、陣屋はここの駐車場の南にある中学校のあたりにあったらしいです。
不動明王像は国の重要文化財に指定されているということです。
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その不動さんは階段の上の建物の中に納められているようです。
地図の案内にしたがい光久寺の右の道を進みます。
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舗装はされていますが昼なお暗い竹藪をくぐっていきます。
竹藪を抜けると右手にため池があり青い水をたたえています。
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手前の手すりはダムの上の落下防止のためのものですが、向かいにあるのは真ん中の弁天さんにお参りするための橋になっています。
元の道にもどって少し進むと「あじさいの里」になります。
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花壇はフェンスで囲われており、扉を開けて中に入ります。中には色とりどりのアジサイが咲いています。
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満開というには少し早いようですが、アジサイは株によって咲く時期がずれているので長い期間楽しめます。

園の中央に大きなカエデの樹があり、その周りを取り囲むようにアジサイが植えられています。
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秋にはこの紅葉もきれいでしょう。

満開のガクアジサイ。
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ピンクのアジサイ。
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池に沿ってさらに道を進むと左に安志賀茂神社への参道になります。
参道には立派は杉の巨木が立ち並んでいます。
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境内には相撲場と大きな桟敷があります。桟敷はなかなか立派な石垣です。
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安志賀茂神社にお参り。毎年、新年にその年の干支の大きなわら細工で有名な神社です。
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そういえば、2月に長女の安産のご祈祷にここに来ました。

その隣に安志稲荷があります。
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醤油やお酒のお供えがたくさんあります。醸造業の人たちの信仰が厚いのですね。

この神社の奥、というか境内のため池にかかった赤い橋。
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その真ん中に弁天さんの祠があります。
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鑑賞を終えて、駐車場に戻ります。
途中、ため池のダムの上からあたらめて裏山を望む。
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池と橋と弁天さんと裏山の風景はなかなかダイナミックでまさに風水の世界です。

次は、夢前町のヤマサ蒲鉾に向かいます。
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ヤマサ蒲鉾といえば芝桜で、私たちも4月に行きましたが、そのときアジサイもたくさんあったので梅雨時に来ようと思っていたのでした。
芝桜の看板の下に「紫陽花の群生地はこちらから」の表示が。早い話、芝桜と同じルートのようです。
芝桜の畑の横を通って群生地に向かいます。道沿いには紫陽花の幟が。
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芝桜の畑の奥の方に大きなアジサイが群生しています。
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山の芝桜に向かう道沿いにもたくさんのアジサイが咲いています。それにしても、この幟は必要なのでしょうか。
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アジサイはやはり変色の妙が見どころです。
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ガクアジサイ。
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山の芝桜の畑に向かう谷のところに一番大きな群落があります。
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一番奥の山の芝桜の畑まで行きましたが、誰にも会うことがありませんでした。
駐車場には観光バスが来ており、売店にはそこそこの人たちがたむろしていたのですが、この人たちは何をしに来ているのだろうか。工場見学なのかな。
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こんなにきれいに咲いているのにアジサイは町のどこにでも咲いているので、わざわざ山の中を歩こうと思う人は少ないのかもしれませんね。
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おかげで、静かにアジサイの花を楽しませてもらうことができました。

その後の持病とのつきあい

昨年1月に発生した私の脱腸(鼠径ヘルニア)ですが、医者と話して特に悪いものとも思えなかったので様子を見るということで病院とはお別れしました。
ところが最近、この病(というのかどうかわかりませんが)とのつき合い方での気づきがありましたので書いておきます。
私と同じような状況の人にも効果があるかもしれませんが、どこにも書かれていないので参考になればと思います。

以下その後の気づきについて記述しておきます。
  • 昨年、8月のお盆に妻の実家にお参りに行った際、手術をした義弟が失敗して再発した。医者は、今後どうすれば良いかについて何もアドバイスをしないとのこと。嵌頓になると心配だとのこと。
  • 今年2月27日、夜寝るときに腸が出て、固くなっているのを発見。病院に電話して、急患で見てもらった方がいいかどうか聞いたところ、対応した人が当番の医師に相談してくれて、明朝来てもらったらいいとのこと。
    次の日の朝、起きたらすでに元に戻っていた。
  • 5月5日、自治会費を集金に行ったお宅の奥さんが同じ病で大分前に手術をしたとのこと。ところが4日の夜、腸が出てもどらなくなり救急車で病院に運び込まれたとのこと。GW中にもかかわらず医者が数人がかりで押しこんでくれた。連休明けにまた病院に行くとのこと。
    それを聞いて自分もそうなったら困るので手術しようか、と考えた。
  • 今月に入ったある夜、寝る前、2月と同じように腸が出て固くなる症状が出た。この時、脚を曲げてみたらどうかな、と閃いたのでやってみたら簡単に収まってしまった。
そういえば私の場合、立っているときは自然に出るのだが(通常は固くならない)、椅子に座っているときは収まっている。脚を曲げるということは椅子に座る形を作ることだからその形を作ったことになります。腸を外から押しこむのは難しいが、内側から引き込むのは簡単なようです。
誰に教えてもらったわけでもないが、自分で気づいたことをやってみたら簡単に治ってしまったというわけ。この方法を知った以上、今後、一切心配する必要がなくなりました。

病を治そうと(手術や薬などで)戦うのではなく、どのように付き合っていくか、ということなんだな、と気づきました。おかげで病があっても安心して生活できるようになりました。

60歳からの手ぶら人生 その5完

弘兼さんは最後に「老い」について考えをめぐらせます。


  • 延命治療は、家族のただのエゴだったんではないでしょうか。(p182)
延命治療を行わなければならない羽目に陥るのは、本人や家族が老いや死について考えてこなかったからではないかと思います。
私は、60を過ぎれば主に「老」・「病」・「死」について考えていればいいと思っています。他に考えるようなことはないなと思っています。
この考えを深めていくと、老病死は生きることにつながっていることに帰着したのでした。
つまり老病死➡生。ブッダの言う四苦、すなわち生老病死とは「生」について語っているのです。
弘兼さんも、このことに気づいたらしく、こんなことを言っています。
  • 老いは「成長」(p183)
さらに、
  • 「どう死ぬか」を考えることは「どう生きるか」を考えるのと同じです。(p186)
と言っています。
  • 年を取ることも…「いろんなことができなくなった」と思うと暗くなってしまうかもしれませんが、「老人力がついてきた」と思えば、前向きになれませんか。(p238)
人間の「成熟」とは死の瞬間まで続けることができるし、それのみが人生の目標と言ってもいいのだと思いました。
ごあいさつ
日々の生活の気づきから人生の成熟を目指しています。

幸せ職場の考え方は、
幸せ職場
をご覧ください。

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