路上生活者の佐々木さんからすると、現代社会に生きている人間はどう見えるのでしょうか。
ところが当の経営者や政治家自身も「お金がなければ生きていけない」ということを信じこんで奴隷になっているという現実を見逃してはいけません。
今の日本は奴隷の親分が奴隷を使い倒しているという状況なのです。
でも、今からでも遅くない、分からないことは自分のアタマで考えて答を出すことだ。
- 暮らしにこれだけお金がかかるという理由でやりたくもない仕事をしている人は、佐々木さんによると「馬鹿」らしい。つまり「考えていない」。(p30)
ところが当の経営者や政治家自身も「お金がなければ生きていけない」ということを信じこんで奴隷になっているという現実を見逃してはいけません。
今の日本は奴隷の親分が奴隷を使い倒しているという状況なのです。
- 35年ローンを組んで、大きな借金を背負って、おかげで働きゃないけなくて、それによって会社、銀行がちゃんと運営できて「万歳、経済発展!」というのはどこかおかしいような気がする。そんな単純な話じゃないんだよと人は僕に言うのですが、ではそのような複雑なシステムなんですかと聞いても、誰も教えてくれない。つまりわかっていないのだ。
わからないことは、考えて答えをださなくてはいけない。簡単なことだ。(p31)
でも、今からでも遅くない、分からないことは自分のアタマで考えて答を出すことだ。
- 私的所有することができた土地を建築物で囲っていく。そうすることが空間をつくり上げることだとしている。しかし、それは本当なのか。僕はそうは思わない。なぜなら、どんな壁をつくって自らの領土に建築物をつくったとしても、空間は増えないからだ。むしろ減る。
それに対して、路上生活者たちの空間の捉え方は違った。もともと自分の土地というような私的所有を断念せざるをえない状況で生きているので実際に買うことができない。そこで、彼らは自分たちのレイヤーをつくることにしたのだ。…
路上生活者たちは、マジシャンではない。ただ思考しているのである。建築では空間を生み出せないけれど思考では生み出すことができる。(p32)