それでは渡辺さんは、国家と人間との関係はどのようなものであると考えておられるのでしょうか。
今の日本という国のことを意識すると暗澹たる気持ちにならざるを得ないが、国家も所詮われわれの頭の中に作り上げた幻想であることを認めれば国から自由になることができる。非国民と言われようが人間であることができる。今の世は非人間な「日本人」がこの国にのさばりすぎている。
渡辺さんの決意は大いに参考になります。
最近のメディアに登場する政治家や高級官僚などの姿を見ていると彼らの価値感の程度の低さに驚かされるが、そのことでこの国の先行きを心配する必要はない。
彼らによって、私のこころに指一本触れさせないという覚悟さえあれば平常心で生きていくことができるのです。
- 私は国家の受益者であるから、それなりの代償は払う。しかしそれ以上は国家と関わらぬ個でありたい。狼のようなフクロウのような、あるいはくぬぎの木のような生きものでありたい。そういう者として人間の仲間を始めとして、万象とともに生きたい。その位相では国家は関係ない。そういう位相の自分でありたい。そういう国家から自立した人間がともに生きうる共同世界を作りたい。そういう人間は現代からの脱落者であるかも知れないが、そうした離脱こそ再生のイニシエーションとならないであろうか。(p33)
今の日本という国のことを意識すると暗澹たる気持ちにならざるを得ないが、国家も所詮われわれの頭の中に作り上げた幻想であることを認めれば国から自由になることができる。非国民と言われようが人間であることができる。今の世は非人間な「日本人」がこの国にのさばりすぎている。
渡辺さんの決意は大いに参考になります。
- 必要なのは自分の精神革命である。つねに淀もうとし、自足しようとし、眠りこもうとする精神の覚醒である。永久革命とはおのれを他者に捧げるという、永久に到達できぬ境地への憧れのことだ。喪われた生甲斐を回復しようとする、生の無意味と戦おうとする、永久の試行のことだ。(p34)
- 日本という国家がどうなるかなんて心配する前に、われわれの生活世界の急速な現代化、すなわち刹那化・非連続化こそ心配してもらいたい。私たちの生の実質は生活世界のありかたにこそ関わっているからだ。(p35)
最近のメディアに登場する政治家や高級官僚などの姿を見ていると彼らの価値感の程度の低さに驚かされるが、そのことでこの国の先行きを心配する必要はない。
彼らによって、私のこころに指一本触れさせないという覚悟さえあれば平常心で生きていくことができるのです。