日々の気づきノートです。

姉妹ブログ「勇気の出る名言集」を始めました。
過去に読んだ本で気に入ったテクストのアンソロジーです。

「勇気の名言集 第2巻」が出版されました。

勇気の名言集 第2巻
今宿 葦
2022-02-14

2015年11月

智慧と意志力

人間の意志の力とは一体どこから来るのか、ということが私の一つの疑問でした。
メーテルリンクは意志を智慧から出てくるのだと言っています。「智慧と運命」の第14章から、

モーリス・メーテルリンク
本の友社
1989-05
  • 智慧の有っている意志力は、身体に死を招来しない限りのものは、すべてこれを修正するのに充分である。
つまり、意志の力で人生をいくらでも変えることができるというのです。
確かにそのとおりです。逆に、意志の力がなければ人生は流され、どこに行き着くのか分かりません。

私は、毎時毎時の選択は多くの場合、意志の力でなされているのではないかと思っています。
いやなことがあった時、体調が悪いとき、意志の力があるからこそ、「これは天が自分に自分の生き方の問題点を教えてくれているのだ、有難いな」、と考えることは、意志の力のなせる業です。
こんな時、 ツイてないと思うのが当たり前かもしれないが、ツイてないと思うことを選択するということがさらなる不調を呼び寄せることは明らかです。

当たり前、当たり前と言っているうちにどんどん落ち込んでいくのが多くの人の人生です。人間のみに備わった意志の力を存分に発揮して、自分の人生を思う方向に力強くドライブしていきましょう。

本日もお読みいただきありがとうございました。

真の哲人が現れたら

人間がどんどん魂を磨いていくとどうなるかというと、人生での障害がどんどん向こうから逃げていって平凡な人生になるのだそうです。これは、天風師もどこかの講演で言っていました。

メーテルリンクもそのことが分かっていたようで以下のようなことを言っています。
「智慧と運命」の第13章から、

モーリス・メーテルリンク
本の友社
1989-05
  • 哲人が現れるということだけで、単にそれだけで運命を麻痺せしめるに足るのである。このことに就いての実証は、真の哲人が出て来る戯曲は殆ど無いと言っていいという事実にある。
確かに、波瀾万丈、運命を切り開いていく人生でないと戯曲にも文学にもならない。ところが人間が魂を磨けば磨くほど、運命の方で安寧な方に安寧な方へともっていってくれるから、何事も起こらなくなってくる。これこそ、本当の「無事是貴人」であり「日々是好日」なのですね。

さらにメーテルリンクはこんなことも言っています。
  • 物を知っているという人でも、愛の力が自分のものになっていない限り、その人は何も知っていないと同断である。 
知識や理性だけでは、人生はどうにもならない。愛(アガペー)の力が必要です。
人間は、神から愛をいただいている。その愛を独り占めするのではなく、他にも施していくこと、すなわり、人間が神と同じになっていくこと、これこそが人間として生まれた最高の意義なのです。

本日もお読みいただきありがとうございました。

われわれが遭遇する事件の意味するもの

メーテルリンクは私たちが時々刻々経験することは、われわれの霊に呼び寄せられたものであると言うのです。

モーリス・メーテルリンク
本の友社
1989-05

「智慧と運命」第10章から、
  • 我々は、我々と性格を同じくしない事物に遭遇するものではない、とこう常に考えるべきである。現前する事件はすべて皆我々の霊に、我々の日常の思想の型体を持ち来たすのである
私たちは、思わぬ事件に遭遇したときに、偶然に起こったことであると考えがちであるが、メーテルリンクはそうではなく、我々の霊(魂)が求めるものが現前したのだと言うのです。ちょっと分かりにくいのでさらに説明が加わります。
  • 我々の事件は、あたかも蜂が巣立しようとする時、巣の周囲に群る様に、我々の周囲に群聚している。それらの事件は、その母想(母たる思想)が我々の霊から意に出てくるまで待っている。そして出て来るとたちまち、その母想を目がけて突進する。不信義であるにせよ、不信義は直ぐさま君に来る。愛するにせよ、事件は愛に胸を躍らせながら諸君へと群って行く。事件と言うものは、我々が胸蔵から掲げる信号を常に見張している様に思われる。で、若し、霊が夕方に賢くなっているならば、その朝方霊自らがつくった悲哀もまた賢くなる訳である
霊(魂)の働きについてのこのような考え方を聞くのは初めてです。しかし、この考えをそのまま信じると、今の魂の働きで目の前でみることができることになります。すべて魂の働きで呼び寄せたことが目の前に現前しているのです。そうすれば今、自分自身が経験していることが不都合であるとしたら、魂がその不都合によって自分の行いを改めるように教えてくれているのです。
こんなありがたいことはありません。
何も冷たい思いをして滝に打たれたり、お金を払ってお祓いをしてもらったり、足の痛い座禅をしなくても、今、自分に起こっていることを注意深く観察すれば自ずと魂の欲していることが分かることになるのです。
このように毎日毎日、魂を賢くしてゆくことが幸せになる正道なのですね。

全然蛇足ですが、ここで接続詞として「で」を使ってますね。最近の若い人たちが結構使う語りだと思っていたのですが大正時代にも使われていたのですね。ちょっと驚きました。

本日もお読みいただきありがとうございました。 

願望と人生

メーテルリンクを読んでいると、エッセイのテーマと離れたところでも重要なことがあって、油断がならない。

モーリス・メーテルリンク
本の友社
1989-05

「智慧と運命」第9章にこんなことが書いてありました。 
  • 人間には人間が願望するだけの事しか起こって来ない
これも、「原因と結果の法則(As the man thinkth)」に関連する言葉です。

「原因」と「結果」の法則
ジェームズ アレン
サンマーク出版
2003-04


私もずっと原因と結果の法則を実践していますが、確かに願わないことは実現しません。
そんなことはない、思ってもいなかった災難や災害を受けた、という人も多いと思いますが、そのような人でも遭遇した出来事は、その人が恐れとして思ったことの中にあったことではなかったでしょうか。
私の経験でも恐れや不安の心が予期せぬ出来事を呼び寄せたと思われることはありました。また、こんなことは願っていなかったようなことが起こったときでも、後から考えてみると、自分の思っていたことに関連していたのだなあ、と納得でき感謝したことがありました。

例えば、阪神大震災で宝塚の仁川で被災したとき、何でこんな目に遭うのかと思ったものでした。しかし、多くの人が去った社宅で家族が肩を寄せ合って不自由な生活をしたことが良い家族関係を作るのに役立ったことが後で分かりました。思い起こすと、当時、家族関係というのは私の大きなテーマであったのでした。

願ったことが現実になっているというのは明々白々な事実なのです。だから自分の境遇を恨む人は恨まざるを得ないような境遇に人生を沈めている。一方、どんな境遇であろうとそのことに感謝している人は、感謝するに値する人生を送っているのは明らかです。

周りを注意深く観察しているとこれは100%確実に当てはまっていることが分かります。

本日もお読みいただきありがとうございました。

運命の甕から流れ出るもの

メーテルリンクの「智慧と運命」について解説しています。

モーリス・メーテルリンク
本の友社
1989-05

本日は、第8章です。ここでは、運命というものの本性とは何かということについて語っています。
  • 元来が事件そのものは運命の甕(かめ)から流れ出る清純な水なので、味も無ければ香もないのが常だ。だが、自分の隠れ家を探す霊の如何に依って、事件は或は喜ばしいものともなり、或は悲しいものともなり、優しいものともなり、可厭(いや)なものともなり、致命的になることもあり、回生的になることもある。
メーテルリンクは世の中で出会う事件というものを甕から出てくる水に譬えている。確かに、世の中で発生するすべての現象は縁により発生するものであって、本来、何の意味も持っていないものです。それに色や匂いや意味をつけるのが人間の心なのです。

ここでメーテルリンクは「自分の隠れ家を探す霊」という分かりにくい表現を使っていますが、隠れ家が心を意味しているように思われます。霊(魂)は心によって隠されていることから明らかです。

しかし、私は端的に「心」とした方がいいと思います。そうすると、
  •  だが、自分の心の在り方に依って、事件は或は喜ばしいものともなり、あるいは悲しいものともなり、優しいものともなり、いやなものともなり、致命的になることもあり、回生的になることもある
と、分かりやすくなります。
つまり、現象自体に何の意味もないが、その現象を受け取る時、心のありかたによって、天国にも地獄にもなるという話なのです。

メーテルリンクは、ブッダの言っていたことを言い換えていたのですね。

本日もお読みいただきありがとうございました。 
ごあいさつ
日々の生活の気づきから人生の成熟を目指しています。

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勇気の名言集 第2巻
今宿 葦
2022-02-14
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