私が数年前のサラリーマン現役時代の最後の頃に中国、台湾、韓国などに出張した時、「安いから買っておこう」というようなものが何もなくなっていることに気づいて驚いたことがある。
それと同時期にインバウンドが増加し、中国人が爆買いするという現象が広がった。

その時に日本はもはや経済大国などではない、ということに気づいたものだ。

しかし、その後も日本人自身の経済大国意識がなくなることはなかった。そこに現在の日本社会の機能不全の原因があるように思う。

このことをハッキリ言ってくれた記事を見つけたので張りつけておきます。



小説家の相場英雄さんの「「日本人は貧乏になった」その事実を明白に知らせてくれている。

相場さんは日本における外国の技能研修性に注目し、その実態から日本が「貧乏になった」ことを示してくれた。

状況は、私の経験よりさらに進んでいて、相場さんの経験では、

4年前、取材旅行で訪ねた香港で、紹介制の高級レストランに行きました。店の前にはリムジンがずらりと並び、店内にいるさまざまな国の人たちは一目で裕福だとわかりました。日本人のわれわれが、明らかにもっとも金がない存在でした。

活気にあふれた香港から東京に戻ると、日本全体が寂れたシャッター街のように見えました。にもかかわらず、ほとんどの人が日本が転落した現実に気づいていません。


これば現実なのです。

日本のレストラン、ホテルの宿泊料の安さの実例の後に雇用の問題が示される。

雇用状況を見てもそうでしょう。物価が下がり続けるから、もっと安い労働力が必要になる。そこで、格差が激しく、いまも貧しい生活を強いられているベトナムやミャンマーなどの農村から来日する技能実習生という名の労働者に頼るしかなくなった。

その技能実習生たちがコロナ禍で職を失いつつあり、路頭に迷っているという。

実際、コロナ禍の影響で、働く場を失い、国にも帰れない外国人労働者がいる。豚や果物を盗んで逮捕された不良外国人について報道されましたが、ぼくには起こるべくして、起こった事件と感じました。

このような現実が明らかになると外交問題になることは必定だが、その後は技能実習生に代わって日本人がその奴隷的労働を担うことになる。

そうなれば、労働者の賃金はさらに低下し、消費が冷え込み経済全体が落ち込む。これが日本の近未来である。
このような状況を目の前にしながらぼんやりしている、というのが日本人の現状なのである。
われわれ日本人は、まずはこの現状を正視することから始めなければならない。