前の週の6月3日(金)に長水山にハイキングをして今年の初夏は最後かな、と思っていましたが、天気が良くなると、また行きたくなるのがハイカーの習性か翌週の6月10日にも宍粟の山に登りに行く。
この日は兵庫県第3の高峰「後山」(1,344㍍)です。岡山では最高峰になり西大峰山とも言われる、修験道の山です。近畿百名山にも入っており兵庫側からは板場見山(いたばみやま)とも呼ばれているとのこと。

かつては女人禁制とされていましたが、今の時代女性を拒否できるような山伏が存在するはずもなく、誰でも普通に登ることができます。

登山ルート調べは今や「宍粟50名山」があるので、苦労はいりません。
後山

8時半に自宅を出て山崎から千種町に入り、千種川を上り板場見渓谷のスリルのある林道ドライブ。10時半に登山口に着く。
林道終点の駐車場には10台以上のスペースがある。
登山口の横に大きな絵地図があり、「後山・平成之大馬鹿門 登山案内図」となっている。
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平成之大馬鹿門とは、何のことか分からなかったので、後で調べてみると、「ちくさええとこネッ!と」に以下のような説明がありました。
  • 当初、京都の仏教大学の門柱として制作された平成之大馬鹿門は、その彫りこまれた名称に問題ありとする大学側と、否定する作者との意見の違いに端を発し、全国的な話題となり「平成之大馬鹿門」騒動となりました。
    大馬鹿門が仏教の教えに添わないとする大学側、作者の空充秋(そら みつあき)氏は、馬鹿という言葉に生きる価値を見失っている現代人に、 今一度現代人に「人生ってなんだろう」と問いかけるものなりと、多くの議論が交わされる中、折り合いつかず大学側はこれを拒否。 その後、全国から多くの譲渡申し入れが殺到、結果として千種町が譲り受け、21世紀へのシンボルとして、千種川を挟んだ 1000m級の二つの山に設置されたのです。
事件のもととなった物件は、平成8年3月に空氏から仏教大学に寄贈されていたのだが、大学は入学式に門に「平成の大馬鹿門」が彫られていたことに気づいて騒動が持ち上がったらしい。
そもそも、門について両者の間でどういう話がなされていたのだろうか。普通であれば、作者が作品の意図を説明し、受け入れ側がその意図を理解して、という了解があって初めてじゃあ設置しましょう、ということになると思うのだが。
特に芸術にかかる作品の場合、受け入れ側はまるで素人だから、作者の肩書とか過去の実績で「おまかせ」になる場合が多いのじゃないだろうか。
それならそれで、先生にお任せした以上、仕上がりに何も文句はいいません、という考え方もあるだろう。空氏の方はそう理解したのだろう。
ところが大学側は商業契約しか分からないから期待のものとは違うので受け入れられない、となる。
余り気分の良い事件ではない。

その騒ぎに飛びついたのが千種町。譲渡を受け、千種川の東西両岸の山の上に建てたという。東側は空山(900㍍)の頂上、西は後山のおごしき山に建てたとのことです。

それよりも、この看板の問題は、行者コースと大馬鹿門コースを別のコースのように描いていることです。実際は、行者コースに含まれるおごしき山の上に大馬鹿門が立っているという話なのですから

何のことかわからぬ私は、混乱を避け一般ルートで登ることにしました。
いずれにしても不動の滝までは同じルートになります。
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登山口には、「西大峰山千種行者講道場」とある。

道は、歴史を感じる苔むした石畳の道です。
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途中に水垢離の場があったり、宿坊跡があったりします。
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半時間足らずで不動の滝に着きます。
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噴き出した汗にマイナスイオンの風が気持ちいい。動画もどうぞ。


普通、左右から真ん中に流れ込む滝は、夫婦滝と呼ばれることが多いようですが、ここは修験道の行場ですから、やはり不動滝です。
よく見ると岩の間に不動尊の像が祀られています。
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滝から上へは、左岸を高まきに道がついているのですが安全のため立派な橋がかけられています。
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この渓流はとても美しいのでイワナなんかもたくさんいるのでしょう。
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滝から尾根に取りついてしばらく行くと平成之大馬鹿門コースとの分かれ道になります。われわれは左の一般道に向かいます。
谷をつづら折りに登っていくと落差8㍍のそうめん滝に出会う。
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登山道から真正面には見えないが苔の岩を伝っていい風情の滝です。

谷をジグザグにつめてゆく道にはきれいな花が迎えてくれます。
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名前不明。知っている方ありましたら教えてください。

タニウツギも高山では今ごろが花盛りです。
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谷をつめてついに主尾根に出ます。
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向かって右が後山への道、左が尾根からの下山ルートになります。

尾根の道は明るいブナの森。気持ち良く歩けます。
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途中のピークから木々の間からのぞく後山頂上。
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ベニドウザンが今ごろ咲いています。
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足元を見ると何やら動物の足跡。熊じゃないか、とチラリと思うが今さらどうしようもなく前進。
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尾根の木々の間から岡山側の町が見えてきます。
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「道仙寺奥之院拝見処」
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ここから道仙寺の奥之院を拝める場所になっているとのこと。しらべてみると、道仙寺の奥之院とは本堂から2時間もかかるところにあるとのこと。

そうこうしているうちに最後のピーク。
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少し下って登り返すと後山の頂上です。時刻は12時半。登山口からちょうど2時間でした。
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宍粟50名山の登山ルートでは、2時間25分となっていましたが想定よりも早くに到着しました。
頂上には祠があり、これは宍粟50名山の標識です。

大阪から5時に家を出て来られた単独行の男性が先に来られて昼食中でした。

われわれもさっそく昼食の準備。途中で収穫した笹竹のタケノコもラーメンに入れていただくことにする。
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ラーメンのお湯をわかすときに一緒に入れて煮る。
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タケノコがシコシコと美味しい。

西を望むと舟木山(1334㍍)と奥に草原の鍋ケ谷山(1253㍍)?。
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北東の方角を見ると氷ノ山らしき山が見える。
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北西方面も岡山の山々が望める。
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頂上の標識には宍粟50名山以外に岡山・美作のものもある。
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こちらは「岡山県最高峰」となっている。
昼食と展望を楽しんだ後は、下山する。

下山途中にも美しい花を楽しむことができる。
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マルバアオダモか?

この日も美しい初夏のハイキングを堪能しました。